大問1 漢字
例年通りの難易度。2は、例年は文法であったが、今年は総画数を問うものであり、難易度は低めである。
大問2 韻文(短歌)
短歌の鑑賞が中心の問題。問いからヒントを得て答えていく必要がある。1は、「目にしたものをわかりやすく形容した光景」が「睡蓮の円錐形の蕾」に対応している。また、「労働」(畑仕事)の後の作業には、鍬を「ざぶざぶ」と「音」を用いて表現している。問い、鑑賞文と照らし合わせていけば難しくないため、あまり時間をかけずに進めていきたい。
大問3 古文
一つの古文に対し、3人の学生が話し合っている。本部をそのまま訳せなくても、焦らず会話文で予測していきたい。記述量も難易度も例年と変わらない。2の記述は、会話文の前後から本文を読み取る問題。会話文の「そんなことになったら平公の名前に傷がつくことになると心配した」という部分が、本文の「臣窃かに君の為に之を恥づ」にあたる。そのため、その直前の「後世音を知る者有らば、将に鐘の調はざるを知らんとす」を見つけ出し、字数、前後の文章に合わせれば解くことができる。
大問4 小説
入試頻出の中学部活動における話である。視点と語り手が切りかわり、場面、状況の整理が難しく、多くの受験者がこの小説でつまずいたと予想される。論説文も残っているため時間を使いすぎることは避けたい。1は、傍線部の前後ではなく、回想場面における黒野と早緑のやり取りから読み取ることができる。3は、陸上が好きになるまでの過程を直前の2人の会話から、また回想場面から、好きなもの、得意なものがほしいという黒野との会話より読み取ることができる。4(2)は、前後の文章から、早緑が部活を頑張れない理由を書くことが分かる。全体的に傍線部周辺の読み取りよりも、回想場面の早緑の本心と、それを聞いた六花が何に気づいたかを理解することが重要である。記述の難易度はかなり高いが、記号問題の難易度はそれほど高いわけではないので、落ち着いて確実に点数につなげていきたい。
大問5 論説文
「未来予測」についての内容。我々が未来予測をすることがいかに困難であるかということと、未来世代に対しては未来をシミュレーションするのではなく「予見」をすることで配慮が可能ということが述べられている。内容は具体例が多く、筆者が述べている内容が分からなくても具体例を読めば主張が読み取れるようになっている。1は前年と同じく文法の問題。「未来倫理で」の「で」と同じ働きのものを選ぶ問題。こういった問題は別の言葉に言い換え、それと同じように言い換えられるものを探すと良い。例えば、今回の「未来倫理で」の「で」は「~において」と言い換えることができ、同じように言い換えられるものを見つけるとよい。2は「法則」という語を用いて本文中の「シミュレーション」とはどのような方法かを答える問題。第5段落の最初の文に「法則」という語が使われた一文があるので、その部分を書きかえられれば正解できる。3は「社会変化のうちにも法則性がある」という意見に対し、筆者がどのように否定しているかを60字以内で書く問題。下線部2と同じ段落内に筆者の意見が述べられているので、難易度は高くはない。しかしここまでに残り時間がほぼ無くなっている場合、書けなかった受験生も多くいたのではないかと思われる。5は第14段落で述べられている「未来予見」についての問題。(2)は「未来予見」について空欄に当てはまる言葉を本文中から書き抜く問題。書き抜き問題ではあるが、正解は第3段落に書かれているため、見つけられなかった受験生も多くいたものと思われる。
大問6 作文
ボランティア活動の案内方法について、会話文から意見を述べる問題。放送と文書のどちらが良いか比較しながら書くことができれば問題ない。