大問構成は例年通り、大問1:リスニング、大問2:文法問題、大問3:自由英作文、大問4:対話文、大問5:長文でした 。例年難易度の高い大問3が易化した一方で、大問4の対話文と大問5の長文は非常に難化しました 。文章の内容自体も高度で、中学1年時からの積み上げがない生徒には、内容の把握すら困難だったと思われます 。
また、正解の根拠が下線部から離れた箇所にある問題も多く見られました 。定期テストや模試などで「下線部の前後だけを読んで解く」といったテクニックに頼ってきた生徒は、多くを失点した可能性が高いでしょう 。今後は、安易な解法に頼らず、語彙・文法・読解力、そして自分の考えを英語で表現する力を地道に鍛えなければ、対応は難しいと言えます 。
大問1 リスニング
放送される英単語や文法のレベルは、大半が中1・中2程度であったため、聞き取りやすかったはずです 。日頃からタブレット等を活用し、音声に慣れていれば十分に得点できる内容でした 。
大問2 文法問題
(1): 例年より易化しており、中1レベルの基礎力があれば正解可能です 。
(2): 並べ替え問題。間接疑問文か「疑問詞+不定詞」かで迷う構成ですが、後続の「can do」から、文法的に間接疑問文以外あり得ないと判断できるかが鍵です 。文法を単なる「形」で暗記するのではなく、その仕組みまで深く理解する姿勢が求められます 。
大問3 選択問題・自由英作問題
(1): 「お知らせ」の内容一致問題に変更されました 。本文中に直接的な表現がないため、消去法を活用して根拠を探す必要があります 。
(2): 例年は難所となる自由英作文ですが、今年度は「8語以上」という条件はあるものの、中2レベルの文法で記述できる平易な内容でした 。
大問4 対話文(テーマ:日本の自動販売機)
語彙数(511語)や単語レベルは例年並みで、中1・中2レベルが中心です 。しかし、内容は非常に高度でした 。
• 内容の推移: 前半の「自販機過多による環境負荷」から、中盤以降は「日本の気候(高温多湿)や災害の多さとの親和性」へと論点が変化します 。
• 読解の注意点: 「that」や「they」といった代名詞が何を指しているかを常に意識しないと、文脈を見失う恐れがあります 。
• 設問の傾向: 例年易しい(1)(2)が難化しました 。特に(2)は「one-third(3分の1)」といった分数の知識が不可欠です 。最後の(6)も「8語以上」の指定があり、大問3より書きにくいものでした。制限条件下で自分の意見を表現する訓練が不可欠です 。
大問5 長文(テーマ:脳の働き)
語彙数(470語)や単語レベルは昨年同様、基礎的なものが中心です 。
• 文章構成: 前半は文法・内容ともに難度が高いですが、後半は比較的読みやすい構成でした 。大問4で時間を使いすぎ、後半まで辿り着けなかった生徒もいたと推測されます 。
• 設問の傾向:(1)~(4)は精読すれば解ける内容ですが、(5)は選択肢が本文に明記されていない抽象的な内容で、やや難解です 。
• 記述問題:(6)は最難関です。ヒントは見つけやすいものの、解答に合わせて英文を大きく書き換える(リライトする)必要があり、高い表現力が求められました 。
※今後の対策アドバイス
今回の入試は全体として非常に高難度でした 。今後の受験生に求められるのは以下の3点です。
1. 早期からの積み上げ: 中1からの学習を疎かにせず、基礎を盤石にする。
2. 本質的な文法理解: 単語や文法を「当たり前に使いこなせる」レベルまで習熟させる。
3. 表現力の育成: 自分の考えを、与えられた条件下で正しく英語にする訓練を積む。