大問1 リスニング
放送問題1、2、3の構成。
放送問題1は智子とボブの対話を聞いて質問の答えとして適当なものを選ぶ問題。放送で流れる英文に難しい単語は出ないので、上位であれば満点が取れる。
放送問題2は二人の対話を聞いて、対話の続きを答える問題。全文聞き取れなくても、例えば最初の問題(数学の先生になりたいという夢について、その理由を答える問題)では最後の文章で「Why」という単語を聞き取ることができれば理由を答えるということに気づけるので、さほど難しくはない。
放送問題3も比較的簡単な英単語で解答が構成されており、どういった単語が入るかも前後の文章からある程度は想像できる(④の問題はveryの後なので形容詞が入るなど)。
また、リスニング問題に関しては、今回の放送問題3のように見直しができる部分もあるので、問題が終わった後にすぐ大問2にいくのではなく、時制や三単現のS、複数形か単数形かなどの見直しをするクセをつける必要がある。
大問2 文法問題
(1)~(3)の構成。文法問題であるが、文法の知識だけでなく単語もある程度は訳せないと解けない。使用されている文法は、教科書に1回しか出てこないような表現もあるので、「受験生になってから勉強」では遅く、日々の学習をしっかりとしていないと解けない問題が多い。
(1)①直後の文章のfrom herから推測できる。
②文脈から「そうすれば」という語を選ぶ問題。命令文+and でそうすればといった使い方をするが、初登場は中3のunit6でちらっとしか出ていない。日々、細かい部分まで丁寧に学習ができていないと解くことは難しい。
③feel free toで遠慮なく~と訳すということが分かれば解ける。この文法は中3のunit2で出てきた。
(2)文中にwhatが来る時点で「間接疑問文」か「疑問不定詞」のどちらか。今回は「間接疑問文」だったので、疑問詞+主語+動詞の形になるということが分かれば解ける。
(3)前後の文章を訳し、対応する選択肢を探す。最初から埋めていくより、分かる部分から書いていった方が良い。
例えば、今回の問題では最後の文章で「Ha-ha. That’s better for our health. (ははは。健康にはいいね)」とあるので、その直前の文章は「健康に良く」「笑えるようなこと」であると推察し、エが入ることが分かる(スープに塩を入れ忘れた)。
大問3 英単語、英文解答
難易度はやや高め。英語がもし苦手であれば解くことは難しい。(2)は昨年まで出ていなかった自由英作(絵を見てその状況を説明する問題)だが、難しく考えず自分が書けるレベルの内容を書けば点がもらえるだろう。
(1)新しい教科書になって登場した現在完了進行形の問題。現在完了ということには気づけるが、そこから現在完了進行形であるということに気づくには同様の問題を数多くこなすしかない。現在完了進行形ということに気づければ、さほど難しくはない。
(2)「なぜ英語を勉強しているの?」というクロエの問いに対し、絵を見てそこから修の夢が何であるかを考え、自由に書く問題。絵を見ると観光地らしき場所を修が外国人に何かを解説している様子が見られるので、例えば【 I want to tell foreign tourist many things about Japan 】などと書ければ正解となる。もし英語が苦手であれば自分の書ける範囲の英語力で何かしら書くことができれば、場合によっては部分点がもらえるだろう。
大問4 対話文
・テーマは「仕事と家族のどちらが大切か」→働き方改革、ワークライフバランスなど社会的な要素のある会話
・総単語数 483語(問題になっていて抜けている会話の部分・グラフ内の単語は除く)
【内訳】
中1 401語(83%)
中2 49語(10%)
中3 13語(2%)
※このうち290語は小学生段階で触れている単語(60%)
※残りは数字、または旧教科書には載っていたが現教科書には載っていない語。
※原型不定詞や仮定法などは使われておらず、関係代名詞を用いた文もそれほど多くないので、文法の難易度は難しくはないが、中2レベルの単語が分からないと本文理解が難しくなっている。
・令和2年、3年と「3人による会話」だったが、今年度は「2人の会話」
・小問構成は⑴~⑸までは例年通り、⑹が条件英作文となっていた。ただし、単語数は5~8語と比較的短いので、自分の書ける単語だけを用いて簡単な文をかければよい。今まで出たことのない形式で焦ったかもしれないが、それほど難易度の高い問題ではない。
大問5 スピーチの原稿
小・中・高の生徒が集うミーティングに参加したことで、「よりよい場所をつくるためには、課題を見つけ、共有することで解決につながる」ことを学ぶ。
・総単語数 479語
【内訳】
中1 407語(85%)
中2 67語(14%)
中3 5語(1%)
※中1の単語のうち245語は小学生段階で触れている単語(60%)
・「注」の語句が何度も出ているため、確認に時間がかかる。よって大問4で時間を使いすぎてしまうと解答時間に余裕がなくなってしまう。日頃から「〇〇分で解く」と時間を意識しながら問題を解く訓練が必要である。
・関係代名詞、疑問不定詞、間接疑問も使われているが、それほど難易度の高い使われ方はしていない。単語も大問4よりは比較的簡単である。ただ、大問4が終わった段階で15分は無いとすべての問題を解くことは難しくなる。
文章の構成としては、体験談が書かれ、そこから学んだことが最後にまとめられている、という例年の形と変わらない。小問は英文を書かせる問題が例年よりも多い。
小問(1)~(4)は例年通り、(5)(6)が前後の文章に沿った内容を記述。(5)については、①、②ともに文章中から探し出すことができれば問題ない。ただ、代名詞の変換に気を付ける必要がある。(6)は、英文を1文書く問題であり、問題の対話の前後をきちんと読み取れればそれほど難しくはないが、時間に迫られている中で間違えずに解くとなると難しいように思われる。